"Death is always on the way, but the fact that you don't know when it will arrive seems to take away from the finiteness of life. It's that terrible precision that we hate so much. But because we don't know, we get to think of life as an inexhaustible well. Yet everything happens a certain number of times, and a very small number, really. How many more times will you remember a certain afternoon of your childhood, some afternoon that's so deeply a part of your being that you can't even conceive of your life without it? Perhaps four or five times more. Perhaps not even. How many more times will you watch the full moon rise? Perhaps twenty. And yet it all seems limitless."
— Paul Bowles (The Sheltering Sky)

旅と旅行

Posted: 8月 6th, 2011 | Author: | Filed under: | Tags: , , , ,

ずっと昔から「旅」と「旅行」を同一視することに違和感を持っている。

しかし、違和感を感じる度に「それ旅じゃないよね。旅行じゃん」とツッコミを入れたりしていると、止めどなくツッコむ羽目になるんで、両者を区別して認識していること自体が不毛だと思わされることが多々ある。

それぐらいに両者の同一視は、日本社会では一般的なことになっているんで、ついにツッコむことを控えるようになった。

それでも、ずーっとこの違和感は心をザワザワさせるのである。
「オレ、社会不適合者。受け入れろ」と自分に言い聞かせようと努力しても、このザワザワは止まらない。

そもそも、この区別が自分の中で意味を持つ様になったのは、Paul BowlsのSheltering Skyを読んだ時からだ。
もちろん、彼の言葉を読んだだけで、その区別が身にしみてしまったわけではない。
それでは、 テレビで毎朝やってる星占いを信じてその日の行動を決めるような人間みたいではないか。
胡散臭い人間であることに変わりはないかもしれないけど、さすがに言葉尻ですべてOKみたいな思想は持ち合わせていないのだ。
その区別が、Paul Bowlsの言葉をきっかけにして植え付けられたのは、それなりの「経験」によることも大きいのだ。

  • 社会=「旅」も「旅行」も一緒。ちょっとカッコ付けたい時は「旅」って言って良い
  • オレ=「旅」と「旅行」に区別あり。ちゃんとそれらを使い分ける。区別のきっかけはPaul Bowlsの言葉と自分の経験

こう冷静に並べてみると、「それ旅じゃないよね。旅行じゃん」なんて他人にツッコむ資格は自分にないね、、、、と、そう、ふと気づくわけ。

「オレの経験」を共有できる人が存在する事を期待するのはバカげている。

なので、

  1. 「オレの経験」をもっと社会に伝えて「区別しよう」と啓蒙していく
  2. 個人的な区別として、決して他人にそれを押し付けない
  3. とっても遠回しな方法でその区別を表現してみて、それに反応してくれる似ている感覚の人を捜したりしてみる

ってな選択肢が頭に浮かぶ。

一番安全なのは2. だ。誰も傷つけないし、自分も楽(でも、ザワザワはする)。

1. はかなりヤバいし、絶対にやりたくない。
これは「区別する人を大量に育てようという上から目線な思想」だ。

3. は一瞬「いいかも」と思うけど、似てる感覚の人を探したいわけじゃないし、たとえそんな人が見つかったとしても傷口をなめあって終わる気がするので、却下。

というわけで、今後もずーーーっとザワザワするしかねーなって思うわけで、もう二度とこの区別については話さないようにしようと。。。そして、ひたすら無言で、個人的にこの区別の実践を行おうと思うのでゴザイマス。

 

ちなみに、ベルトリッチ監督の映画 Sheltering Sky は、映画としてはそんなに好きじゃない。
それでも、「どんな映画がスキ?」とぼんやりした質問をされると、この映画をボンヤリと一覧に入れてしまう。

小説は、やっぱりかなり好き。
これを読んだ機にPaul Bowls全集をゲットして、飽きるまで何度も読んだくらい。